ヘーゲル像

好みの用字(用字交通整理)

神山伸弘研究室 跡見学園女子大学  文学部人文学科教授) 2023/2/4

  • 名詞

    1.  漢語 原則漢字
      以上(×いじょう)cf.接続助詞「いじょう」
      実際(×じっさい)cf.副詞「じっさい」
      特段(×とくだん)cf.副詞「とくだん」
      土台(×どだい)cf.副詞「どだい」
    2.  かな交じり 
      あり方(△在り方、△ありかた)
      格付け(△格づけ)
      見かけ(△見掛け)
      人びと(△人々、△ひとびと)
      やり方(▲遣り方)
    3.  和語 おもに平仮名
      すべ(△術)
      ときどき(△時々)cf.副詞「ときどき」
      もともと(△元々)cf.副詞「もともと」
    4.  形式的なもの 原則平仮名
      あいだ(×間)
      あと(×後)※例外[「前」と対比される「後」]
      いっさい(×一切)cf.副詞「いっさい」
      いな(×否)※例外[「諾、応」と対比される「否」]
      おのおの(×各々)cf.代名詞・副詞「おのおの」
      かたち(×形)
      がわ(×側)
      さい(×際)
      なにもの(×何物)※例外許容[人の場合「何者」]
      ばあい(×場合)
      ほう(×方)
      みずから(×自ら)cf.副詞「みずから」
      もろもろ(×諸々)
    5.  接続助詞的 原則平仮名
      かぎり(×限り)cf.接尾語「かぎり」
    6.  名詞+助詞 おもに平仮名
      あとに(の)(△後に(の))※例外[「先に(の)」と対比される「後に(の)」]
      いっそうの(△一層の)
      うえに(で、は)(△上に(で、は))※例外[「下に(で、は)」と対比される「上に(で、は)」]
      のちに(の)(△後に(の))※例外[「前に(の)」と対比される「後に(の)」]
    7.  連語 おもに平仮名
      かいなか(△か否か)cf.「1.4.形式的なもの」
  • 代名詞

    1.  人称代名詞 原則平仮名
      われわれ(×我々)
      かれ(×彼)
    2.  不定代名詞 原則平仮名
      おのおの(×各々)cf.名詞・副詞「おのおの」
      なに(か)(×何(か))
      だれ(か)(×誰(か))
  • 動詞

    1.  漢字かな交じり
      極める(△きわめる)cf.副詞「きわめて」
      見いだす(△見出す)
    2.  形式的 原則平仮名
      あう(×合う)※実質的[「合う」]
      いう(×言う)※実質的[「言う」]
      したがう(×従う)※実質的[「従う」]
      したがえる(×従える)※実質的[「従える」]
      そこなう(×損なう)※実質的[「損なう」]
      とどまる(×留まる、×止まる)※実質的[「留まる、止まる」]
      めぐる(×巡る)※実質的[「廻る、回る」]
    3.  音読含む おもに漢字
      関する(△かんする)
      仕上がる(げる)(△しあがる(げる))
      対する(✕たいする)
      要する(▲ようする)cf.副詞「ようするに」接続詞「ようするに」
    4.  音読含むが おもに平仮名
    5.  訓読 平仮名ないし漢字かな交じり
      いだく(×抱く、△懐く(常用外))
      いたる(△至る、×到る(常用外))
      おこなう(△行う、×行なう)
      じつのところ(△実の所)
      つねひごろ(△常日頃)
      できあがる(△出来上がる)
    6.  動詞の複合語 読み間違えるおそれがないのは、原則最初の動詞の送り仮名を省く
      引籠る(△引き籠る)
      振舞う(△振る舞う)
  • 形容詞

    1.  形容詞 おもに平仮名
      ない(×無い)cf.助動詞「ない」※例外許容[「有る」「在る」「存在」に対する「無い」]
      まったい(×全い)
    2.  当て字 原則平仮名
      ふさわしい(×相応しい)
    3.  補助形容詞 原則平仮名
      ない(×無い)cf.助動詞「ない」
    4.  相当連語 原則平仮名
      かかわらず(×拘らず)
      かぎらない(×限らない)
      ちがいない(×違いない)
      ほかならない(×他なら無い、×外なら無い)
  • 形容動詞

    1.  連用形 おもに平仮名
      こまかに(△細かに)
      たしかに(△確かに)
      にわかに(△俄かに)
      はるかに(△遥かに)
      ひじょうに(△非常に)
      ふつうに(△普通に)
    2.  連体形 おもに平仮名
      おもな(△主な)
    3.  常用外 原則平仮名
      もっともだ(×尤もだ)
    4.  音読み おもに漢字
      依然(×いぜん)
      簡単(×かんたん)
      徐々(×じょじょ)
      些細(×ささい)
  • 連体詞原則平仮名

    くだんの(×件の)
    たんなる(×単なる)
    わが(×我が)
  • 副詞

    1.  和語 原則平仮名
      あいかわらず(×相変わらず)
      あいまって(×相俟って)
      あえて(×敢て)
      あげて(×挙げて)
      あまた(×数多)
      あらかじめ(×予め)
      あらためて(×改めて)
      あわせて(×併せて)
      いきおい(×勢い)
      いっさい(×一切)cf.名詞「いっさい」
      いまや(×今や)
      いわば(×言わば)
      おおいに(×大いに)
      おのおの(×各々)cf.名詞・代名詞「おのおの」
      おもに(×主に)
      かえって(×却って)
      きわめて(×極めて)cf.動詞「極める」
      さいわいに(して)(▲幸いに(して))cf.名詞・形容動詞・自動詞「幸い」
      さしあたり(×差し当たり)
      すくなくとも(×少なくとも)
      すぐれて(×優れて、×勝れて)
      たがいに(×互いに)
      たかだか(×高々)
      ただちに(×直ちに)
      たとえば(×例えば)
      つねに(×常に)
      つとに(×夙に)
      つとめて(×努めて/×勉めて/×力めて)
      どのみち(×どの道)
      ときに(×時に)
      ときおり(×時折)
      ときどき(×時々)cf.名詞「ときどき」
      なおさら(×尚更)
      なにか(×何か)
      なにも(×何も)
      なにゆえ(×何故)
      なんらか(×何等か、×何らか)
      はじめて(×初めて)
      ひいて(×延いて)
      ひとえに(×偏に)
      ひとり(×独り)
      ひとりで(に)(×独りで(に))
      ひるがえって(×翻って)
      ふつう(×普通)
      みずから(×自ら)cf.名詞「みずから」
      もっとも(×最も)cf.形容動詞「もっとも」接続詞「もっとも」
    2.  音読含む おもに平仮名
      がいして(▲概して)
      けっして(▲決して)
      じつは(▲実は)
      じつに(▲実に)
      ぜひとも(▲是非とも)
      そうじて(▲総じて)
      たんに(▲単に)
      とくに(▲特に)
      べつに(▲別に)
      ようするに(▲要するに)cf.接続詞「ようするに」動詞「要する」
    3.  漢語由来 おもに平仮名
      いちおう(△一応)[→言い換え:(1)「ひととおり」(2)「いちど」「ともかく」「とりあえず」]
      いっそう(△一層)
      いったい(△一体)
      おうおう(にして)(△往々(にして))
      きょくりょく(△極力)
      けっきょく(△結局)
      じっさい(△実際)cf.名詞「実際」
      どだい(△土台)cf.名詞「土台」
      るる(△縷々)
    4.  相当連語
      なにか(×何か)代名詞・副詞「なに」+助詞(係助詞・副助詞)「か」
      かんし(て)(△関し(て))自サ「関する」
  • 接続詞原則平仮名

    1.  接続詞
      くわえて(×加えて)
      にもかかわらず(×にも拘らず)cf.助動詞相当連語「にもかかわらず」
      ひるがえって(×翻って)
      もっとも(×尤も)
    2.  音読含む
      ようするに(×要するに)cf.副詞「ようするに」動詞「要する」
    3.  相当連語
      いいかえれば(×言い換えれば)
  • 助動詞原則平仮名

    1.  助動詞
      ごとし(×如し)
      ない(×無い)cf.形容詞「ない」
    2.  相当連語
      にもかかわらず(×にも拘らず)cf.接続詞「にもかかわらず」
      すぎない(×過ぎない)
  • 助詞原則平仮名

    1.  接続助詞(用法含む。)
      いじょう(×以上)cf.名詞「以上」
      かぎり(×限り)cf.名詞「限り」
  • 連語原則平仮名

    なんの(×何の)《代名詞「なに」に格助詞「の」の付いた「なにの」の音変化》
  • 接頭語原則平仮名

    うち(△打ち)《意味を強め、音調を整えるために、また改まったときに、つけることば。》
    たち(△立ち)《言い方を強めるためにそえることば。》
    とり(△取り)《ことばの意味をやわらげるのに使う。》
  • 接尾語原則平仮名

    かぎり(×限り)cf.名詞「かぎり」
    がたい(×難い)
    きる(×切る)
    しだい(×次第)
    どおり(×通り)
  • 造語成分原則平仮名

    づけ(×付け)cf.名詞「格付け」
  • 踊り字原則平仮名

    人びと(×人々)
    前まえ(×前々)

参考文献